2008/4/25 伝説の終焉へ



もはや伝説といっても過言ではないだろう。「北方水滸伝」全十九巻(文庫版)が完結した。
この小説は何が凄いのだろうか?
まず一に、話を再構築したこと。
二に、百八人集まるまで死なないはずの好漢が次々と死んでいくこと。しかも漢らしく。
三に、敵が本来守るべき「宋」だということだろう。
一で取り上げているが、水滸伝という物語は既に完結された物語だった。だから、水滸伝を書くということは、その物語を脚色する、翻訳するということぐらいだったろう。それを北方さんは全部ぶち壊した。もちろん、いい意味で。
そういうわけで、登場人物百八人以上全てが生きている壮大なストーリーが始まった。

私は水滸伝が始まったのは知っていたが、その頃丁度本を買うという習慣を絶っていて、「武王の門」「破軍の星」「悪党の裔」なんかをひたすら何度も読んでいて、文庫が出たら読もうかぐらいだった。
もう一度作家やるぞと思った頃に、文庫版水滸伝の発行が開始された。
買い始めた時は十冊ぐらいの三国志と同じぐらいの長さだと思っていたが、三巻の巻末を見たとき、全十九巻だということに気付いて愕然とした。
こんなスペックの話をあと十六巻も読ませられるのかよ。ただでさえ小さい自信がなくなっちまうぜ。と日々、恐々とした物である。
そんな壮大な話が終わる。待ち望んでいた以上に、悲しかった。
でも、続編の楊令伝があるからいいか。文庫出るまで待つぞーーー。といった心境である。

最後に、心に残った数人を。
鄭天寿−−−あれだけ活躍しといて、あんな死にかたでいいのかよ!!!
阮小五−−−これから先の成長を期待させといて、死んじまった!
朱武−−−−軍師系で一番好きだっただけにあっさり死んでショック!
聞煥章−−−思想なしに知力だけで戦う悪役は好き。
童貫−−−−やっぱ、最強の敵は最高に好き。

他にもいっぱいいるけど、ネタバレになるのでこれくらいで。


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